どうもみやびです
どこよりもわかりやすい、住宅の知識を発信したい。
その想いで発信をしています。
「この物件、今週中に決めないと他の方に渡ってしまいます」「今日ご契約いただければ、特別にお値引きできます」
住宅の購入を検討したことがある人なら、一度はこんな言葉をかけられたことがあるかもしれません。私はかつて、大手住宅メーカーの営業として5年間働いていました。そこで目にしてきたのは、必ずしもお客様のためとは言えない営業の実態でした。

家は人生で最も高い買い物のひとつです。
だからこそ、「よくある営業トーク」に流されて後悔してほしくない。
この記事では、元営業マン、現住宅アドバイザーの視点から、危ない営業マンを見分けるサインを正直にお伝えします。
① 「今日決めないと損ですよ」と急かしてくる
これは住宅営業の世界で最もよく使われる手口のひとつです。
「今月末までのキャンペーン価格です」「他にも検討しているお客様がいます」
という言葉で、お客様を焦らせて即決させようとします。
正直に言います。「他にお客様がいる」というのは、ほとんどの場合、事実ではありません。
営業には月ごとの契約ノルマがあり、月末が近づくと特に数字に追われます。
焦らせることで、お客様が冷静に考える時間を奪うのが目的です。
本当に良い営業マンは急かしません
。「ゆっくり考えてください」と言える営業マンを信頼してください。
家は衝動買いしていいものではありません。
② 「予算オーバーでも大丈夫です、ローンで調整できます」と言う
お客様が「予算は3,500万円まで」と伝えても、
「4,000万円でもローンの組み方次第で月々の支払いは変わりませんよ」と上位プランへ誘導してくる営業がいます。
住宅営業の歩合(インセンティブ)は、契約金額に連動するケースが多いです。
(例外もあります。本当に将来的なメンテナンスコストや光熱費がかからないお家を手にするなら
今のうちに汲めるローンを組んでおいた方がいいと親切心で言っている営業マンもいます)
つまり高い家を売れば売るほど、自分の給料が上がる仕組みになっています。
「月々の支払い額」だけを強調して総支払額を見せない、変動金利のリスクを説明しないといった対応は、お客様ではなく自分のために動いているサインです。

必ず「総返済額」と「金利上昇した場合のシミュレーション」を書面で出してもらいましょう。
それを嫌がる営業マンは要注意です。
③ 「見えない部分の性能」について話さない
見学会やモデルハウスでは、キッチンの美しさや収納の豊富さなど「見える部分」をアピールするのが一般的です。しかし、耐震性能・断熱性・気密性・換気設計といった「見えない性能」についてはほとんど触れない営業マンがいます。
正直、内装や外観のほうがお客様の感情を動かしやすいのです。「素敵なキッチン」は写真に撮れますが、「C値0.5の気密性能」は写真になりません。でも実際に住んでから「冬が寒い」「光熱費が高い」「結露がひどい」と後悔するのは、この見えない部分の性能が低いケースがほとんどです。
耐震等級・断熱等性能等級・UA値・C値などを自分から聞いてみてください。すらすら答えられない、あるいは話題を変えようとする営業マンは信頼しにくいと思って構いません。
④ 「アフターサービスは万全です」としか言わない
「何かあればすぐ駆けつけます」「10年保証があります」という言葉は聞こえがいいですが、
具体的な内容を聞くと途端に曖昧になる営業マンがいます。
保証の中身は会社によって大きく違います。「10年保証」でも、何が対象で何が対象外かを把握していない営業マンは少なくありません。また、アフターサービス部門が別会社や下請けになっているケースも多く、「言った人がいなくなっていた」というトラブルは珍しくないのです。
「10年後に何か起きたとき、どこに連絡すれば何が対応されますか?」と具体的に聞いてみましょう。文書で確認できるかどうかも大切なポイントです。
⑤ こちらの要望をメモしない・覚えていない
初回の打ち合わせで「子どもが3人いるので収納を多めに」「在宅ワークのための個室が必要」と話したのに、次回の提案に全く反映されていない。そんな経験をした方は少なくないはずです。
一人の営業マンが同時に抱えるお客様の数は、多い時期で10組を超えることもあります。メモを取らない営業マンは、単純に管理できていません。これは意地悪ではなくスキルの問題ですが、結果としてお客様の大切な要望が後回しにされます。
打ち合わせのたびに「前回お伝えした希望を確認させてください」と自分から確認するか、
要望を文書化して渡すのが自衛策として有効です。
⑥ 他社の悪口を言う
「あそこのメーカーは施工が雑で有名です」「あの工務店はアフターが来ないと聞きます」といった話を、根拠なく言ってくる営業マンがいます。
他社の悪口を言う営業マンは、自分の会社の強みで勝負できないから他を下げようとしているケースがほとんどです。悪口情報が正確かどうか確かめる手段もなく、お客様を不安にさせて自社へ誘導するための戦術です。

「ではあなたの会社の一番の強みは何ですか?」と聞き返してみましょう。
自社の強みを語れる営業マンが信頼できます。
⑦ 契約後に態度が変わる
これが最もつらいパターンです。契約前はこまめに連絡をくれて、要望にも丁寧に対応してくれたのに、契約書を交わした途端に連絡が遅くなり、対応も雑になる。こんな営業マンには本当に出くわしたくないですね。
これは構造的な問題です。営業マンの評価は「契約を取ること」に集中しており、
引き渡し後のフォローは評価に繋がりにくい会社が多いのです。
契約後の対応こそ、その営業マンの本当の姿です。
契約前に「過去のお客様と今も連絡を取っていますか?」と聞いてみてください。実際に紹介できるOB客がいる営業マンは、それだけアフター対応を大切にしてきた証拠です。
まとめ──良い営業マンを見分ける3つの質問
悪い営業マンを避けるだけでなく、良い営業マンを見つけることも大切です。
初回の打ち合わせで次の3つを聞いてみてください。
1つ目は「この家の断熱性能と耐震等級を教えてください」です。
数値で即答できる営業マンは、自社の商品をきちんと理解しています。
2つ目は「総返済額と変動金利リスクのシミュレーションを見せてもらえますか」です。
嫌な顔をせず資料を出してくれる営業マンは、お客様の立場で考えられる人です。
3つ目は「過去のお客様を紹介してもらえますか」です。実際に住んでいるお客様の声を聞かせてくれる営業マンは、それだけ自信と実績があります。
家づくりは、建物だけでなく「誰と進めるか」も同じくらい重要です。営業マン選びに慎重になることは、決して失礼なことではありません。良い家と良い営業マンに出会えることを願っています。


