『ナフサショック』で住宅価格はなぜ上がるのか?今、住宅購入を検討している人が知っておきたいこと

住宅知識

どうもみやびです

今回はナフサショックについて書いていきます。
アメリカがイランを攻撃して、世界情勢が混乱の渦に巻き込まれていますが
住宅業界に激震が走っています。

「家を建てようと思っていたのに、最近よく聞く”ナフサショック”って何?」
「このまま価格が上がり続けるなら、買うタイミングを逃しているのでは?」

住宅購入を検討している方の中には、こうした不安を感じている方も多いのではないでしょうか?ニュースでは連日のように建材価格の上昇や住宅設備の供給停止が報じられており、
「今は買い時ではないのかもしれない」と感じてしまうのも無理はありません。

 

 

この記事では、「ナフサショックがなぜ住宅価格に影響するのか?」という基本的な仕組みから、
「これから購入を考える人はどう動けばいいのか?」までを、できるだけわかりやすく整理していきます。

そもそも「ナフサショック」とは何か?

ナフサとは、原油を精製する過程で生まれる成分のことで、
プラスチックや化学製品をつくる際の基礎的な原料になります。

「オイルショック」は原油そのものの供給や価格に関する危機を指しますが、
ナフサショックは原油から作られる石油化学原料(ナフサ)の価格急騰を指し、
住宅建材であるプラスチックや塗料の原価に直接影響します。

そして実は、現代の住宅には、想像以上に多くの「石油由来の建材」が使われています。
断熱材として使われるウレタンやポリスチレンフォーム、フェノールフォームなど、水まわりの配管にも石油化学製品が用いられています。

つまり、ナフサの価格が上がると、断熱材や配管といった、
家のあらゆる場所に使われている建材のコストが上昇してしまうのです。

なぜ住宅設備にも影響が出ているのか

ニュースなどで「お風呂やトイレが手に入らない」という話を聞いて、
不安になった方もいるかもしれません。

これは事実として起きていたことです。
2026年4月、TOTO・LIXIL・パナソニックといった大手住宅設備メーカーが、お風呂やトイレの受注を停止・制限する事態が発生しました。

ただし、5月以降は各社が段階的に受注を再開しています。

このように、ナフサショックの影響は「価格が上がる」というだけでなく、
「そもそも欲しい設備が手に入りにくくなる」という形でも現れていました。
状況は徐々に改善に向かっているとはいえ、今後も部材によっては供給に時間がかかるケースが出てくる可能性はあります。

「待てば落ち着く」とは限らない理由

「今は価格が高いから、落ち着くまで待とう」と考える方も多いと思います。
しかし、過去の似たような出来事を振り返ると、この考え方には注意が必要です。

コロナ禍に発生した「ウッドショック」のときも同様の状況がありましたが、情勢が落ち着くまで待てば価格が下がるというわけではなく、歴史的に見ても資材高騰の波が完全に引くのを待って成功した例は少なく、高騰したコストがそのまま新たな「標準」になってしまうことが多いのです。

専門家の見解も同様です。構造的な円安や、建材を製造する際のエネルギーコストの増加が続いているため、価格が以前の水準まで完全に下がる可能性は低いとされており、現在の価格水準を「新常態(ニューノーマル)」として、これからの資金計画を立てることが推奨されています。

 

 

もうひとつの懸念材料、住宅ローンの金利
価格の話だけでなく、もう一つ意識しておきたいのが住宅ローンの金利です。

日銀は2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ、2026年春の時点で変動金利の適用金利は1.0〜1.2%台へと動いています。物価が上昇する局面では金利も連動して動く傾向があり、年内にさらなる利上げが行われる可能性も指摘されています。

つまり、「もう少し待とう」という選択は、
建材価格の上昇と、住宅ローン金利の上昇という、ふたつの変化を同時に受け止める覚悟が必要になる、ということでもあります。

今、購入を検討している人が意識したい3つの視点

それでは、これから住宅購入を考えている方は、どのような視点を持てばよいのでしょうか。
専門家が打ち合わせの中でよく伝えているという、3つの視点をご紹介します。

「今の家賃と、住宅ローンの返済額を比較すること」です。

毎月の支出が大きく変わらないのであれば、早めに動くことには十分な意味があると考えられます。

「お子さまのライフステージを考えること」です。

入学や進学などのタイミングと、住宅の引き渡し時期を重ねて考えることも、購入時期を判断するうえで大切な視点です。

「使える補助制度の期限を確認すること」です。

2026年は「みらいエコ住宅2026事業」をはじめとした補助制度も動いていますが、こうした制度には期間や予算の上限があるため、待っている間に利用の機会を逃してしまう可能性もあるという点には注意が必要です。

「注文住宅」と「建売住宅」では事情が異なる

もうひとつ知っておきたいのが、
住宅のタイプによって受ける影響の大きさが違うという点です。

完成済み・建材確保済みの建売住宅であれば、影響は限定的です。
一方、これから工事を始める注文住宅は、コスト増のリスクをより大きく受けることになります。

 

 

これから購入を検討する場合、「これから設計・建築する家」なのか、「すでに建材が確保され、完成している(または完成間近の)家」なのかによって、ナフサショックの影響の受け方が変わってくるということを、ひとつの判断材料として知っておくとよいでしょう。

まとめ 不安を感じたら、まず情報を集めることから

ナフサショックは、原油から作られる化学原料の価格上昇が、断熱材や配管、住宅設備といった「家のあらゆる部分」に影響を及ぼしている出来事です。価格が完全に元の水準へ戻る可能性は低いとされており、金利の上昇という別の要素も重なっています。

だからといって、「いつまでも待っていれば安心」というわけでもありません。むしろ大切なのは、今の自分の状況(今の家賃、家族のライフステージ、使える補助制度の期限など)と、検討している住宅のタイプ(注文住宅か、建売住宅か)を踏まえて、自分にとってのタイミングを見極めることです。

不安な気持ちはとても自然なことです。だからこそ、まずは正確な情報を集め、自分に合った住宅会社や担当者に相談しながら、一歩ずつ進めていくことをおすすめします。

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